科学的な英単語学習のアプローチについて:エビングハウスの忘却曲線は誤解されている?

目次

英単語を効率的に学習するには???

全ての英語学習者にとって「英単語学習」は絶対的に必要なもの。

例えば英検2級に合格するには約5000語以上必要であると言われており、、、

英検1級になれば10000語以上必要です。

そんな膨大な単語量を効率的に記憶し、定着させ、運用するためには何が必要であるか。

確実に言えるのが「単語学習の回数を重ねること」が一番大切である、と言えます。

大前提として単語とは「長い年月をかけて蓄積していくもの」であり習慣化することが非常に重要です。

そこで良く引用されるのが「エビングハウスの忘却曲線」

復習の重要性を強調したいときに使われる有名なグラフですよね。

ただこのエビングハウスの忘却曲線が「誤解されている」らしく、、、

それがこちらの動画 ↓ で語られています。

私も尊敬している超有名な英語の先生かつYoutuberの一ノ瀬 安先生と第二言語習得研究の専門家の中田達也先生の対談。

お二人によると

・そもそも実験が古い(100年以上前)

・この実験方法は「無意味綴り」という存在しない3文字の言葉を覚える(外国語習得ではない)

・被験者はエビングハウスのみ

・縦軸は単語保持率ではなく、単語節約率(その単語を覚えるための労力のパーセンテージ)

ということらしいです。(この理論が間違っているわけでなくてこの理論の解釈が少し勘違いされているってだけの話です。)

このように少し解釈の違う学習法を知らず知らずのうちに広めてしまっている可能性はありますので

教育者としてしっかりと正しい情報を精査して生徒に届けたいものです。

ということで最近学んだ神経学的に正しいとされる学習法について1つシェアさせてもらいます。

神経科学のアプローチ


 スタンフォード大学医学部の教授で神経科学者のAndrew Hubermanの動画で興味深いものを見つけました。

アンドリュー氏曰く、「Periodic testing → 定期的なテスト」が記憶保持に良いとされています。

この動画で説明されている2つの実験が興味深いのでシェアさせてください。

テスト① 授業が4回あり4回目に大きなテストがある。

GroupA ①教科書学習 ②教科書学習 ③授業 ④大テスト
GroupB ①教科書学習 ②小テスト  ③小テスト ④大テスト

結果 → Group Bのほうが学習効果が高かった


テスト② ある単元の授業が5回があり、5回目に大きなテストがある

GroupA ①学習 ②学習 ③学習 ④学習 ⑤テスト
GroupB ①学習 ②学習 ③学習 ④テスト ⑤テスト
GroupC ①学習 ②テスト ③テスト ④テスト ⑤テスト

結果 → GroupCの結果が一番良かった

2つの実験結果から

「小テスト」を繰り返し行うグループのほうが学習効果が高いということがわかります。

ここでいう小テストとは問題形式のものだけでなく

学んだ内容を自分の頭の中で振り返り、思い出す作業もテストに含まれます。

つまり、受動的学習だけでなく、アウトプット活動が非常に重要であるということ。

また別の実験ではテストはできる限り、学習の直後に行うのが良いとされるらしいです。

これを英単語学習に置き換えると

学習効果が高い学習効果が低い
確認テストを何回も行うべき
単語帳で学ぶ→すぐにテストする
自分の学習の振り返りを行う
単語帳を何回も読む
テストの頻度が少ない
振り返りを行わない

以上が効果的な学習法と言えそうですね。

最近の単語帳アプリを活用すれば、テストをすぐに行えるので学習者は積極的に利用すべきですね。

まだまだ奥が深い「学習」という分野。

教育者として常に情報をアップデートしていきたいものです。

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